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数年前、会社で女性向けのサイトを運営していた。なかなか収益に結びつかず閉鎖してしまったのだが、仕事用のメールの受信箱にその名残がのこっていたので再録してみた。 お茶に関するコラムで、タイトルは 「ブレンド(配合)かミックス(混合)か」 紅茶の本を読んでいたら、茶葉のブレンドについての話が載っていた。それによると、大量に生産されている缶入りの茶葉は、常に一定した味を求められている。例えばトワイニングのオレンジペコなら、この味というような。 しかし茶葉も農産物である以上、年毎の天候の影響を受け、いつも同じ味という訳にはいかない。そこで各メーカーは何種類かの茶葉を配合して、できるだけ一定の味と香りを提供する努力をしているんだとか。これを「ブレンド(配合)」といい、適当に混ぜ合わせる「ミックス(混合)」とは区別している。 この言葉で思い出したのが、香港の奇怪なる飲み物「鴛鴦茶(おしどりちゃ)」である。種を明かせば何のことはない紅茶と珈琲を混ぜてミルクを加えたもの。でもここで素朴な疑問。「どうして紅茶と珈琲をまぜるの?」 この「鴛鴦茶」にはじめて出合ったのは、香港の友人につれていかれた「春風茶餐庁」だった。茶餐庁というのは近所のオジサンたちがサンダルばきで気軽に来る喫茶店のようなところ。おしゃれな若者や買い物とグルメが目的の観光客の姿はほとんど見かけない。私も地元の友人ができるまでは素通りしていた。しかし友人にとって「春風茶餐庁」は自宅の居間の延長のようなものらしい。 ここにはいろいろ摩訶不思議なメニューがあって、食べ物に対する好奇心の塊のタマちゃんは、毎回果敢にも未知なるメニューにアタックしていた。その一つに「モーニングセット」がある。マカロニ入りコンソメスープとトーストに目玉焼きと飲み物が付く。マカロニは茹ですぎ、コンソメは化学調味料の味、トーストのパンは「おとといのヤツ?」と聞きたくなるようなしろものだ。ジャンクフード好きのカズミちゃんは毎回嬉々として友人と食べていたけれど、私は断固拒否!同じ値段でお粥やぷりぷり蝦の入ったワンタンが食べられるのに、どうしてこんなもの食べるの? さて、そんなある日「鴛鴦茶」が私たちの前に登場した。もともと茶餐庁では、普通のミルクティーからして個性的で、紅茶もミルクもビックリするほど特濃だ。ミルクで煮出し過ぎた紅茶に、燻したような珈琲を加えたのが「鴛鴦茶」の味だった。わが同胞2人は「結構いけるよ」とのたまう。どうやら私は味覚に関しては「保守的」らしい。 その後、珈琲がおいしいと評判の店で性懲りもなく頼んだ友人の「鴛鴦茶」の味見をしたら、「なかなかいけた」のには自分でも驚いた。これこそ「配合」と「混合」の違いなのだろうか。でも、やっぱり別々に飲むほうが、私は好き。 「鴛鴦茶」や「茶餐庁」についてもっと知りたい方は、 平野久美子さんの『食べ物が語る香港史』 (新潮社 1998年6月発行 1680円)を ぜひ読んでください。
by gongxifacai
| 2005-03-15 16:46
| お茶 さまざま
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Comments(4)
飲みかけの紅茶のカップに、間違えてコーヒーをついでしまい、しかも飲むまで気がつかなかった私。
その時は「うぐっ!」とうなりつつ飲み干してしまいましたが、まさか名前をつけて店で出しているとは・・・ あと、やはり間違ってコーラの飲みかけにコーヒーを入れて飲んだことありますが、まさかこれは無いでしょうね(^^;
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huiziさん、こんにちは。 とっても、見聞深く、いろいろなことをなさっているのですね。 ゆっくり、今までの記事も拝見させていただきます!! 混合と配合。 なるほど、納得でした。 これって、いろいろなことに当てはまりますね。 しばらく、キーワードになりそうです。。。 猫ちゃん、飼っていらっしゃるのですか?
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gongxifacai at 2005-03-16 22:17
dadakoさん
ところがあるんですよ「カフェ・コーラ」なる飲み物が。アメリカですけど。 コヒーフロートをコーラで割ったものだそうです。今回は長くなったので割愛したんです。 hinataさん、ご訪問ありがとうございます。 興味のあることを書き連ねていたら、まとまりのないブログになりつつあって反省してます。 猫は通いです。毎日柿木を伝わって、2階の物干し場まで餌とりにきます。 この画像のころは可愛かったんですけど、今は見る影も無いほど太ってしまい、屋根から樹に飛び降りるとき躊躇してます。 猫って面白いですね。外で会うと決まり悪そうに立ち止まって、 それからそそくさと行ってしまいます。
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by
dada
at 2005-03-19 21:42
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恐るべし、アメリカ人の味覚・・・というところでしょうか(^^;
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