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会場のサラ紬愛館は御所のすぐ近くにありました。 唐突ですが、青土さんの書かれる文字が好きです。 大正初期に建てられた和風家屋と蔵や英国調の洋館からなる不思議な建物。 この2階の洋館部分でmusuburiさんが布を広げていました。 さていよいよ「ピーニャのお話」です。 講師は大阪国際大学の小瀬木えりのさん。 ピーニャ(pinya)というのはスペイン語でパイナップルのこと、 フィリピンではパイナップルの葉から採った繊維で織った布・ピーニャで 主にフォーマルウェアを仕立てます。 スペインの植民地時代に、キリスト教の影響を受けた人たちの間で 作られました。 その時代、19世紀のころから現在までずっと同じ手法で生産され、 まったく機械化されていない織物です。 繊維を採る為のパイナップルは、 私たちがよく口にするハワイアンではなくて メキシコからやってきたレッドスパニッシュという種類です。 実と葉の付け根が赤味をおびているのでそう呼ばれています。 まず、パイナップルの葉を採取しますが、このとき刃物は使いません。 手で引っ張ると茎から剥がれます。 一見するとアロエのような形状をしています。 陶器の欠片で表面をしごくと外側の皮が取れます。 この外皮を削り落とした後に、最初に出てくる繊維を First Fiber(bastos)と呼びます。 これが繊維の75%を占めます。 これを洗って、その中でも細めのいい繊維だけを取り出して、 緯糸として使用します。 現在、青土さんで服を作っている布がこれです。 bastos(バストスと発音していました)を採った後、 さらにココナッツの殻で削っていくと その中からSecond Fiber(liniuan)が取れますが、 これは全体の25%にすぎません。 経緯ともにこの糸・liniuanで織った布は最高級品で、 青土さんでも最新作の小さめのストールをこの布で作っていました。 こうして取り出した繊維を水洗いしてぬめりをとり、 さらに貝殻でしごいて糸を仕上げます。 ピーニャの繊維は丸く毛羽立ちもないため、精錬もしませんし 機に掛けるときに糊付けも不要です。 丈夫で、他の繊維のように割いたりする必要もなく 自然にほぐすだけで糸になります。 とはいえその繊維の細さは驚異的で、糸つなぎの実演を していただいたのですが、ちょっと離れたところから見ると、 糸が見えないのでまるでパントマイムのように見えます。 糸つなぎのデモはピーニャの最大手で老舗製造業者、 デラクルス・ハウス・オブ・ピーニャの姉妹・お姉さまのレットさん。 レットさんが着ているのもピーニャのブラウス。刺繍がありました。 ピーニャの布は洗って行くうちにぬめりがとれてしなやかになり、 肌に馴染んでくるんだそうです。 祖母から母へ、そして娘へと3代は受け継がれていくとお聞きしました。 100枚の葉が一単位でそれを1pangpang(1ポンポン)と呼びますが、 1ポンポンの葉から35~40gの糸が採れ、 75cm幅で1.5~2.0mの布になります。 糸から布まで、だいたい3週間かかるということです。 今後の課題は75%のbastosをどのように生かしていくのかということです。 小瀬木さんは織りは専門外なのですが、長い間フィールド調査をしていて 現地の方々との交流も長く、一緒に新製品の開発などにも携わっていて、 今回も新しい布のサンプルをお持ちでした。 bastosを経緯2本づついれて織ったというサンプル布は、 透けすぎずにしっかりとしていて、セリシンたっぷりの生絹のようで 夏服を作ったらいいのでは、と思いました。 青土さんではやく販売してください、欲しいです! (まぁお値段にもよりますが:笑) かつては平織り以外の技法もあったようですが、 現在では平織りだけです。 高級ハンカチ。刺繍は絹糸で。 ピーニャは糸の段階で染める(先染め)ことはなく、 染める場合は後染めです。 長いこと気になっていたピーニャのことが分かってとても満足なお話でした。
by gongxifacai
| 2009-11-29 00:10
| 旅のアルバム
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Comments(6)
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春は曙
at 2009-11-29 18:31
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ピーニャという布の概要、分かったような気がします。
フィリピンのフォーマルのブラウスは絹だと思っていましたが、このレクチャーで納得です。 暑いお国柄には最適の布。 日本でもお手頃の値段で販売されるよう願って止みません。
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gongxifacai at 2009-11-30 00:56
春は曙さん、もっといろいろお聞きしたのですが、つながったのはこんなところです。
フィリピンのフォーマルウエアはシルクやアカバで織られたものもあります。 ピーニャは主にフォーマルウエアに使われるということです。 あのbastos二本取りの布なら日傘の一部に使えるかもしれませんね。
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gongxifacai at 2009-11-30 23:40
mizoさん、書き忘れました。
糸をつなぐときは、根元と根元⇒頭と頭の繰り返しなんです。 苧麻の場合頭と根元、頭と根元と繊維の方向を一定にすることが うるさく言われますけど、そこも違います。 太いところと太いところ、細いところと細いところというように 糸の太さをそろえて結んだほうがスムーズだからなんですって。 つまりそれだけ毛羽たちがなくて丸い繊維なんですね。 それもあって機にかけるときに糊付けをする必要がないんです。 丈夫だっていうこともありますけど。 続きがなかなか続かなくてすみません。
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エゾノコリンゴ
at 2009-12-01 09:16
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ピーニャは、繊維としてはタフなんですね!
これでちょっと安心。 昨日はポジャギデーで、 友人が夏に青土で手に入れたピーニャの端布持ってきてスカーフにすると縫ってました。 私も端布はあるのだけれど、 夏にケッキで縫い始めてこりゃだめって放りだしてあるんですよ。 ほどいてやりなおさなくては。
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gongxifacai at 2009-12-02 00:28
コリンゴさん、キルト展ご盛況でなによりでした。
そうですよ、ピーニャは丈夫です。 laylaさんのスカーフがいいお手本ですね。 秋のワークショップで作ったピーニャの扇子が出来あがって 戻ってきました♪ 写真を撮ったらブログに載せますね。 あっ、でも次回お会いした時に見てください。 私も羽織るものつくりかけで放ってあります。 あとちょっとなんですけど、どんなふうにまとめようとしたのか 思い出せません:笑
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