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素材展最後を飾るのは、やはり青土さんのこと。 「今回、自慢したいものが3つあるんですわ」という青土さんの言葉を聴いたとき、 私とMさんの中でいまブームの「怒り新党」という番組の「新三大○○調査会」に ちなんで、これらを「青土の新三大自慢」に認定しました。 ::::: 第一の自慢は、スペシャルピーニャの帯です。 画面から美しさが伝わってきませんか? 白いところが縫い絞りをして、全体を薄い色で染めてから、 さらに柳絞りをして濃い色で染めたのかなと想像しています。 じつはこの画像は会場に展示されていたものではなくて、 最初の一本なので少し違うのですが、 会場で見た二本目の帯には銀箔が置かれていたと思います。 スペシャルピーニャの帯は、前に津田千枝子さんが型染めで制作されて、 その美しさに青土さんともども惚れ惚れしたのですが、 青土さんの帯は絞り染めです。 そうそう、6月に発売された「七緒」で紹介されていた帯です。 「七緒」が手元にないので確認できませんが、 もしかしたらあれは板締めの方だったかもしれません…。 ::::: 第二の自慢は 青土さんが目指す「江戸期の苧麻布」にかなり近づいた布のでした。 残念ながら布の画像はありません。 しかもまだ数メートル織っただけの試し織りで、 やっと素材展に間に合った!そうで 機から下ろしたて、ガチガチに糊のついた状態でした。 それでも30倍スコープで覗いた人の口からは「おお~~」という ため息が次々ともれていました。 近代麻布研究所の吉田さんも「たいしたもん、つくらはったねぇ」とおっしゃってました。 この糸よりももっと細い糸ができて、それを見た奈良晒し研究者・澤田さんの 仲間の方が「織ってみたいわ」ともらした言葉を聞き逃さずに手渡したのだそうです。 もともとここまで細い糸だと、中国の織り機では無理があったそうで、 国内での織り手を探していたのです。 中国の機はスピード優先に特化されたもので、 賃働きの職人さんにはうってつけなのですが、 繊細さを要求される織りには無理があるのだとか。 そんなお話を聞くと、ますます大阪民族博物館の展示が見たくなりますね。 ::::: そして新三大自慢の三番目は「超薄手の木綿カディ」でした。 これも画像がありません。私のカメラではとうてい写らない布ですが。 その布の薄さをどんな言葉を使ったらお伝えできるのかわかりませんが、 たしか青土さんが「人が着ることを拒否する布」と言っていたような。 つまり薄すぎて服には向かないということですね。 ただその技術を伝えるために、糸を紡ぎ、経糸を張り織られたのだそうです。 麻の専門家・青土さんが思わず買ってしまったという木綿の布でした。 よくよく考えるとこの布は、先日お聞きした「モスリン」と言ってもいいのかな? 糸が極細だし、単糸だし、平織りだし。 カディというのも「手紡ぎ手織り」の布のことで、一般的には木綿だけれど ウールカディもシルクカディもあるんだそうですよ。 以上、簡単ではありますがこれが「青土の新三大自慢」の調査報告でした。
by gongxifacai
| 2012-09-17 00:58
| 2012素材展Ⅳ・十日町
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Comments(2)
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hokui44do05 at 2012-09-19 11:18
ピーニャの帯素敵です。
軽そうだし涼しげで。 麻の絞りはたいへんそうだけどピーニャだからこそ? 民博、行ってみたいです。 11月の連休前あたりに行ってみようかしら。
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gongxifacai at 2012-09-19 20:39
コリンゴさん
このスペシャルピーニャは薄すぎて却って絞りにくいんですよ。 特に縫い絞りはぎゅっと縫い縮めた部分が穴が開きやすくて。 麻は力が要りますが、きっちり絞るときっぱりとして 美しいです。 行けるならお勧めです、民博!ぜひ。
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