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すっかり時間が経ってしまいましたが、2月3日に ティモールテキスタイルの岡崎さんのお話を聞きに 岩立フォークテキスタイルミュージーアムへ行ってきました。 インドネシアのスラウェシ島中部に残る樹皮布のお話しをさせていただきます。ものの、布のはじまりを一緒に考える機会になれば嬉しいです。 まずは岡崎さんから「きょうはタパという言葉を使わずに樹皮布といいます」と お断りがありました。 樹皮布をタパと呼ぶことは今では世界的に一般化していますが、 もともとはポリネシアの一部地域の呼び方です。 ですからインドネシアのスラウェシ島へ行って「タパ」と言っても、 とくに染織の勉強をした人以外には通じません。 (一般的な話として私たちが樹皮布をタパと呼ぶことに問題はない) さて樹皮布はいったいいつ頃どこで発生したのでしょうか? 世界中のあちこちに見られることから自然発生的で同時多発に 作られるようになったとも考えられますが、 7900年ほど前の中国の南の方が起源のようです。 樹皮布は残っていませんが、樹皮を叩き伸ばす道具と思われる 石のビーターが発見されているのです。 樹皮布を作っていた人々はやがて台湾へ移動します。 台湾でも4500年前のビーターが出土しています。 そして丸木舟に乗って南太平洋へと移動していくのです。 その時に樹皮布の材料となる「かじの木」を積み込んでいったようです。 そして3500年ほど前にスラウェシ島に辿り着いたと言われています。 スラウェシ島では現在も樹皮布を作っている80代の女性が3人ほどいます。 その一人に作り方を見せてもらって聞き取りをしました。 スラウェシ島の樹皮布の特徴は、筒状に仕上げることです。 まず材料はくわ科のベンガル菩提樹やかじの木です。 ベンガル菩提樹はヌヌと呼ばれ上質な布となります。 直径10cmほどに育った木の皮を剥ぎ、洗って1時間ほど煮ます。 その時に灰を加えます。 その後7日間ほど発酵させてタンニンを全体にまわし、 同時に不純物を取り除きやすくします。 一度に叩くのは10枚ほど。 木の生えていた方向に並べて叩き、しばらく叩いたら2枚ずつ重ねます。 それを繰り返し10枚を1枚にします。 65歳以上の人に聞き取りをしたところ、 子供のころは樹皮布の服を着て学校に通っていたそうです。 先生だけが織布のスーツを着ていて、 かなり高価だったので着たきりスズメでお尻のあたりがすり切れていたとか:笑 樹皮布は母親の手作りで、雨に弱いので濡れると溶けてしまい 母親は年中新しい服用の布を作っていたそうです。 現在は結婚式の時などに身に着けますが、ほとんどは貸衣装だそうです。 写真は岡崎さんのインスタグラムでご覧ください。 *この日に岡崎さんが身に着けていた筒型腰衣ウィニ *樹皮叩き伸ばすための石槌にはタテ・ヨコ・格子・斜めの模様があり、 新石器時代と同じ道具が現在も使われている。 岡崎さんのお話はもっと盛沢山でしたが、 自分で書いたメモが「???」だったり記憶があいまいで、 なんだかまとまりのないものになってしましました。 やはりすぐに書かないとだめですね、と反省。 写真が少ないので、わが家の樹皮布をご紹介しましょう。 今は136cm×140cmの大きさですが、かつてはこの4倍ほどありました。 アルファベットのように見えますが、意味は不明です。 Manbowが40年くらい前にフィジーで買ったそうです。 それを欲しいと言われて半分切ってある人にあげてしまいました。 その人はずいぶん前に若くして亡くなりました。 そのパートナーが「気に入っていたので棺に入れた」と言うのを聞いた時、 私は一瞬「なんてことを」と内心思いましたが、 かの地では葬儀の時に亡骸を包んだり、棺にかけたりすると知って、 今になって、なんと正しい使い方だったのだなぁと納得しました。 岩立フォークテキスタイルミュージーアムには アフリカの樹皮布も展示されています。 LIXILのギャラリーと違って写真は撮れませんが、 ガラス越しでなく直に見ることができるということは大きな魅力です。 しかも点数も多いし。 できればもう一度見に行きたいと思っています。 なんと言っても「素材感の強い布」に惹かれます。
by gongxifacai
| 2018-02-15 22:40
| 来た・見た・買った
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