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私は毎日JR飯田橋を利用しています。 昨日も東口を出て、目白通りを歩いていたらモリサワビルの「蘭花譜展」の垂れ幕が目に飛び込んできました。 特に蘭の花が好きなわけでも、植物画に興味があったわけでもないのですが、壁のポスターの美しさに惹かれて、思わずドアを開けてしまいました。 「木版画再摺」という文字に惹かれたのかもしれません。 もともとの「蘭花譜」は関西の実業家・加賀正太郎により昭和21年に刊行された洋蘭の図譜です(手摺彩色の木版画83点にカラー図版・単色写真図版を加えて計104点) 加賀は若き日の欧州遊学で蘭にめぐり合います。後に京都の大山崎に山荘(現・アサヒビール大山崎美術館)をつくり、そこで蘭の栽培を始めます。これが日本の蘭栽培の礎となったそうです。 そして、蘭の花の美しさを後世に残そうと「蘭花譜」の制作を思い立ちます。最高の人材と素材を揃えて10年の歳月をかけて刊行された「蘭花譜」は限定300部制作し、100部は海外の大学・植物園に寄贈し、残り200部を国内で販売しました。 その時の序文に加賀はこう記しています。 「版木は全部大山崎山荘へ保存してある。粗悪なるにせものが世に出ない為めに、又将来優良なる摺師と絵の具と紙を得られ、適当に指導すれば、猶多少の増刷も可能であるからである」 しかし加賀の思惑に反して、戦後の混乱で版木は行方不明となってしまいます。長い年月が経ち、版木はもはや一枚も現存しないと思われていました。 それが、平成15年の秋に伝統木版画の版元・芸艸堂(うんそうどう)の蔵のなかから12点の版画の版木が発見されたのです! その版木を使って現在の最高の彫師による補刻、人間国宝による手漉き和紙、京都の8人の摺師の手によって再現されたのが、今回の「蘭花譜」展です。 素人の私には「木版画」とは思えず、まるで肉筆画のようにみえました。一点の絵に版木は8~12枚なのですが、1枚の版木で一度摺るという単純な方法ではなく、絵の具ののせ具合などの工夫でぼかしをかけたりと、ものによっては100回以上も摺っているそうで、その出来栄えには息をのむ美しさがあります。 この平成の「蘭花譜」再摺のいきさつは、NHKの地上波で4月16日に「失われた蘭の楽園~京都・版画集『欄花譜』ものがたり」というタイトルで放送され、また大山崎山荘美術館や三越ですでに展覧会がありました。 今回再摺された平成の「蘭花譜」は100部限定で発売されています。詳しくはこちらから。 「蘭花譜展」 2005年9月12日(月)~22日(木) 10:00~18:00 18・19日休館 入場無料 モリサワ・タイポグラフィ・スペース 地図はこちら 〒162-0822 新宿区下宮比町2-27モリサワビル1F Tel. 03-3267-1233 Fax. 03-3267-1536
by gongxifacai
| 2005-09-14 18:14
| イベント
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Comments(1)
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gongxifacai at 2005-09-15 12:20
加賀氏は『蘭花譜』の序文で
「余は英国、仏蘭西、独逸等に於て出版された相当多数の蘭花譜及び蘭に関する文献を所有している、従って之れ等に劣る蘭花譜の出版はいたづらなる浪費であることを知っている」と述べています。 最初は一般の印刷で出版しようと計画し、当時としては最高水準の印刷技術で試みたけれど、結果は必ずしも加賀氏の希望を満たすものではなく、結局のところ純日本式の木版画にたどり着いたということです。
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